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黄土高原について

植生と緑化

退耕還林・還草

砂漠化の進む黄土高原
土砂の流亡を防ぐため、急傾斜地での耕作をやめ、森林や草原に戻す活動が進められています。
これを「退耕還林・還草」と呼びます。
左の写真中、左下付近の急傾斜地に白い点が並んでいる部分が見えます。これが新しく植林されたところです。


魚鱗坑造林

乾燥地域の植林には、植えた苗木が枯れないような工夫が必要となります。
右の写真にみられるように、苗木は半月形の穴の中に植えられています。半月形の穴は斜面を流れ降りる水を集め、苗木に水を供給するのです。
半月形の植え穴が並んでいる様子を遠くから見ると魚の鱗状にみえます。このことから、魚鱗坑造林と呼ばれます。


乾燥地域の緑化で必要なこと

砂漠化の進行に対し、緑化は有効な対抗手段の一つです。しかし、植物は生きるために多量の水を使います。水不足で、元々森林が成立しない場所に無理やり樹木を植えても、その将来は明白です。
左写真は、元々森林が成立しない場所に植えられたニセアカシアです。大部分が枯れ、生き残ったものも成長不良で、先端が枯れているのがわかります。

さらに、山羊や羊の適正な放牧管理も必要です。せっかく再生した緑が食害で消えてはなりません。


延安地域の自然植生:リョウトウナラ林


黄土高原の中心都市である延安付近の降水量は約550mm。この付近がぎりぎり森林の成立する限界地です。現実に森林はほとんど見られませんが、わずかに、写真のような美しいリョウトウナラ自然林も残っています。時間と手間をかければ、このような森林の再生も可能です。

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