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乾燥地研究センター(乾地研)について

ごあいさつ



 人間活動に起因する気候変動は世界中で、熱波、大雨、干ばつなどの極端現象を引き起こしています。そしてその影響は、自然と人の生活が最も脆弱である乾燥地で特に顕著です。私たち鳥取大学乾燥地研究センターは、砂漠化や干ばつなどの乾燥地の諸問題の解決と乾燥地の持続可能な発展を目標として研究に取り組んでいます。そのために、2022年度より、砂漠化対処領域、乾燥地農業領域、気候変動対応領域の3領域に組織改革を行い、全学組織である国際乾燥地研究教育機構の研究者とも強い連携を取りながら活動しています。

 乾燥地研究センターは鳥取砂丘の西側に位置し、元は農学部附属砂丘利用研究施設でした。砂丘の研究で得た知恵と技術を国際的な問題に応用するため、1990年に乾燥地研究センターに名称を改めました。文部科学省の「共同利用・共同研究拠点」に認定されており、乾燥地科学研究の全国の拠点になっています。
 約1平方キロの敷地内には、研究棟、様々な解析装置、乾燥地の気象条件を再現する装置など、優れた研究環境が整備されています。また、砂丘の砂でできた圃場や、植林地や海浜植物の生態系を保護したフィールドもあります。さらに、これまでの研究成果や、乾燥地での自然や人々の暮らしを紹介した展示室や、乾燥地の有用植物を集めた半円形の大型温室(アリドドーム)も備えています。

 乾燥地の問題は、私たちの生活に直結しています。日々口にする小麦や大豆など多くの穀物が乾燥地から輸入されています。これらの国で干ばつが起こり、生産量が落ちると価格が高騰します。黄砂は中国やモンゴルの乾燥地の砂漠化が関与しており、私たちを悩ましています。我が国は国連砂漠化対処条約を批准し、砂漠化や干ばつによる影響の軽減のため行動しており、乾燥地研究センターも科学的側面から貢献しています。
 地球環境が深刻な状況である事は世界共通の認識であり、国連は持続可能な開発目標(SDGs)を採択し、世界が一致団結して、未来の世代が必要とするものを奪うことなく、現代の世代が必要なものを得られるような持続的社会の創生のために行動しています。私たち、乾燥地研究センターも、今後も人々が豊かな自然の中で持続的に生活ができるよう活動します。



鳥取大学乾燥地研究センター長  辻本 壽

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