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優占する菌根菌がモンゴルの草地管理に役立つ可能性が生態系の多機能性指標から示されました。

Dominance of arbuscular mycorrhizal fungi is key for Mongolian steppe management under livestock grazing, as indicated by ecosystem multifunctionality
Takeshi Taniguchi, Yasuaki Akaji, Masahide Yamato, Ryota Kusakabe, Altansukh Goomaral, Jamsran Undarmaa, Norikazu Yamanaka
(生態系の多機能性指標から示されるように、菌根菌の優占度はモンゴルの草地管理の鍵である)

Journal: Ecological Indicators


モンゴルでは、家畜の放牧が重要な土地利用であるが、過放牧による土地劣化が問題となっている。持続的な草地利用にあたり、複数の生態系機能を考慮した多機能性指標やイネ科植物と共生する菌根菌の活用が有効であると考えられるが、この点に関する研究は行われていなかった。そこで、本研究では生態系の多機能性指標と放牧圧、そして菌根菌との関係について調査を行った。結果として、菌根菌と共生する植物バイオマスや健全草原の土壌中で優占する菌根菌は生態系の多機能性指標と正の関係にある一方で、家畜の放牧と負の関係にあることが示された。この結果は、菌根菌や菌根菌と共生する植物の適切な管理が生態系機能の維持管理につながる可能性を示している。

本研究結果の概要