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ゴビ砂漠における枯れ草量を衛星データから推定する手法を開発しました

Estimation of dry vegetation cover and mass from MODIS data: Verification by roughness length and sand saltation threshold
Jing Wu, Yasunori Kurosaki, Batdelger Gantsetseg, Masahide Ishizuka, Tsuyoshi Thomas Sekiyama, Batjargal Buyantogtokh, Jiaqi Liu
(MODISデータによる枯れ草の被覆率と質量の推定:粗度長と飛砂臨界摩擦速度による検証)

Journal: International Journal of Applied Earth Observation and Geoinformation

乾燥・半乾燥地域において枯れ草量をモニタリングできるようになると、風食リスクの評価、牧草分布の推定、火災リスクの評価などが実現できる。しかし、衛星データを用いた枯れ草量推定の研究はあまり行われていない。そこで、鳥取大学の黄砂モニタリングサイトがあるモンゴル・ゴビ砂漠北部のツォクトオボー(TsO)において、枯れ草量(被覆率と地上部の質量)の現地調査を行い、MODIS衛星データを用いた枯れ草量の推定手法の開発を行った。その結果、MODISのBand 6と7の比で得られるSoil Tillage Index (STI)が枯れ草量推定に適した指標であることが明らかになった。さらに、風速、飛砂の現地観測データから得られる粗度長、飛砂臨界摩擦速度を用いてSTIによる枯れ草量推定式の妥当性を検証した。今後、他の乾燥・半乾燥地域における更なる検証が必要であるが、本研究結果はSTIを使用することで広域の風食リスク評価等が実現可能であることを示唆している。