灌漑水量の新しい決定法の有効性がナイルデルタでも示されました

• 2021/08/11
• 研究成果

An Evaluation of a New Scheme for Determination of Irrigation Depths in the Egyptian Nile Delta

Hassan M. Abd El Baki and Haruyuki Fujimaki

（エジプトのナイルデルタにおける新しい灌漑水量決定法の評価）

Journal: Water

https://doi.org/10.3390/w13162181

乾燥地においては灌漑管理を改善する革新的な灌漑技術が求められています。そこで、水に従量制課金がなされている前提で、天気予報を考慮しながら純収入を最大化するような灌水量を求める新しい灌水量の決定方法の有効性を検証する実験をエジプトのナイルデルタで行いました。トウモロコシを供試作物とした圃場実験を行い、センサーによる土壌水分の観測値に基づいた灌漑区と比較したところ、新しい方法は灌水量を35%節減することにより、純収入を21%増加させました。また、数値モデルはRMSEが0.02程度の高い精度で体積含水率を予測できることも示されました。鳥取砂丘と対照的な粘土質土壌での圃場実験で本方法の有効性が確かめられたのは初めてです。

実験圃場の様子