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エチオピア「教会の森」の微生物群集は周囲の農地や共同管理林と比べて、高い潜在的窒素循環機能を持つことが分かりました。

Comparative analysis of soil prokaryotic community structure and function in Ethiopian Church Forests and adjacent habitats
Biazen Endalamaw, Nigussie Haregeweyn, Takeshi Taniguchi, Getu Abebe, Masataka Nakayama, Mitsuru Tsubo, Menale Wondie, Takeshi Abe, Yoseph Buta Hailu, and Atsushi Tsunekawa

Journal: Scientific Reports

エチオピアでは、人口増加に伴う土地開拓により深刻な土地劣化が進行しています。多くの自然植生が失われるなか、教会を取り囲む「教会の森」には原生林に近い植生が残存し(図1a)、生物多様性や遺伝資源の観点から極めて重要です。本研究では、人為的撹乱が土壌原核生物(細菌・古細菌)の微生物群集、多様性、および機能的潜在性に及ぼす影響を明らかにするため、「教会の森」と撹乱強度の異なる4つの生息地(国営林、共同管理林、低木地、農地)を対象に比較解析しました(図1b)。
次世代シーケンサーを用いた解析から、撹乱の少ない森林では放線菌門やクレンアーキオータ門が優占していたのに対し、撹乱された生息地ではストレス環境に適応した分類群への移行が認められました(図1c)。微生物の群集組成は各生息地で大きく異なり、土壌の化学性や指標樹種の分布と有意な関係がありました。また、微生物の機能予測解析から、「教会の森」では窒素循環に関わる機能が高く維持されていることが示唆されました(図1d)。
本研究はダイキン工業株式会社が推進する「空気をはぐくむ森」プロジェクトの一環として、鳥取大学とアムハラ州農業研究所の共同研究によって実施されました。

ダイキン工業、”空気をはぐくむ森”プロジェクト


図1 (a)残存するエチオピア「教会の森」、(b)本研究における調査サイト、 
(c)原核微生物(細菌、古細菌)の相対量、(d)硝化にかかる機能遺伝子の相対量
CF: 教会の森、SF: 国営林、CMF: 共同管理林、SL: 低木地、CL: 農地