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モンゴルの半乾燥草原における一年生草本が優占する群落で、降雨後にCO2フラックスの急速かつ大幅な変化をとらえました。

Strong and rapid response of CO2 flux components after a rainfall event in an annual plant community in a semi-arid grassland
(半乾燥草原の一年生草本群落における降雨後のCO2フラックス構成要素の強力かつ迅速な応答)
Munemasa Teramoto, Naishen Liang, Batdelger Gantsetseg, Takehiro Sasaki, Richa Hu, Toshihiko Kinugasa

Journal: Journal of Agricultural Meteorology

乾燥地において、降雨イベント(降雨パルス)は生態系の二酸化炭素の吸収や排出(CO2フラックス)をダイナミックに変化させるトリガーとなります。気候変動によって降雨パターンが変化している中で、降雨パルスに対するCO2フラックスの応答を理解することは、ますます重要になっています。その応答は生態系や植物種によって異なると考えられますが、草原生態系における一年生草本を主体とした群落において、降雨直後のCO2フラックスの応答(その大きさや速さ)に関する情報は限られていました。本研究では、2022年8月6日未明の、モンゴル中部の半乾燥草原における降雨イベント(7.6‒8.7 mm d-1)の前後で、CO2フラックスの構成要素(純生態系CO2交換:NEE、総一次生産:GPP、生態系呼吸:Re)の変化を比較しました。測定プロットの植物は、Chenopodium acuminatumやSalsola collinaを含む一年生草本が主体でした。降雨終了後12時間以内(8月6日の日中)において、GPPとReはともに、降雨前(8月5日の日中)と比較して有意に増加し、それぞれ3.2倍および4.0倍になっていました。一方、NEEには有意な変化は認められませんでした(図1)。本研究の結果は、一年生草本を主体とする植物群落において、降雨後にCO2フラックスの構成要素が急速かつ大幅に変化することを示しました。


図1 降雨イベントの前後(8月5日および8月6日)におけるCO2フラックスの構成要素の比較:
(a) 純生態系CO2交換(NEE)、(b) 生態系呼吸(Re)、(c) 晴天時の総一次生産(GPP)、(d)最大総一次生産(GPPmax)、
および (e) 総一次生産の光応答曲線から推定された初期勾配。
実線は中央値、点線は平均値を示す(n = 6)。Teramoto et al. (2026)より転載。CC BY 4.0