パールミレットのスピードブリーディング法を開発しました。
- 2026/01/22
- 研究成果
Speed breeding for pearl millet and wild Pennisetum species with optimized pot size, CO₂ supplementation, and ABA application
Kosei Terada, Nasrein Mohamed Kamal, Shun Sakuma and Takayoshi Ishii
Journal: Discover Applied Sciences
パールミレット(Pennisetum glaucum/同義 Cenchrus americanus, 2n=2x=14)は乾燥地で重要な食用・飼料作物ですが、気候変動で生産が脅かされています。多くの作物でスピードブリーディング法が確立されています。一方、屋外環境で生育すると4メートルにもなる巨大作物である、パールミレットと野生近縁種では未整備でした。本研究は、パールミレットと野生種3種(P. mollissimum, P. violaceum, P. schweinfurthii)を対象に、鉢容積、CO₂施用、アブシシン酸(ABA)外生処理の3要因を評価し、スピードブリーディング法を開発しました。開花は、パールミレットとP. mollissimumで220 cm³鉢、P. violaceumとP. schweinfurthiiで38 cm³鉢により播種後64日以内に達し、年4世代まで栽培可能となりました。CO₂施用はP. schweinfurthiiのみで栄養生長量を増やし、開花を14日短縮しました。ABA散布は表現型を変えずに草丈を抑制し、高密度栽培を容易にしました。小型鉢とABAの併用は迅速・省スペースの世代更新を実現し、特別な設備を必要とせず、実用的でした。本研究により、野生種のストレス耐性の対立遺伝子の導入が加速し、パールミレット改良パイプラインを構築しました(図1)。

図1 パールミレットのスピードブリーディング法の概念図。
完全室内のLED栽培施設、根域を制限、ABAでの草丈の抑制により1年間に4世代回すことが可能になりました。

