Tottori University

ホーム > ニュースリリース > さくらサイエンスプログラム”C"にて、今年もウズベキスタンから教員・学生を招へいしました。

さくらサイエンスプログラム”C"にて、今年もウズベキスタンから教員・学生を招へいしました。

2025年10月13日から22日にかけて、ウズベキスタンのサマルカンド国立大学からの研究者を迎え、農学部(湖山キャンパス)および乾燥地研究センター(浜坂)において各種研修を実施しました。同大学からの受け入れは、さくらサイエンスプログラムを通じて今年で3回目となります。

ウズベキスタンでは近年、気候変動に伴う降雨パターンの変化や人口増加による社会構造の変化により、牧草地の荒廃や耕地の水不足、塩害などが深刻化しています。これにより、持続的な食料自給が脅かされるとともに、環境影響が重大な問題となっています。

このような背景を踏まえ、両大学は2023年2月に学術交流協定を締結し、人材交流の活性化と研究基盤の強化を共同で進めることを確認しました。
この度のさくらサイエンスプログラムによる研修は、同協定上の連携活動の一環として実施され、同国における乾燥地の食料安全保障および貧困削減に貢献することを目的として「飼料作物・未利用作物に関する知見強化」をテーマに扱いました。サマルカンド国立大学のアグロバイオテクノロジー食料安全保障研究所および人材育成・地域開発管理研究所の教員・学生8名を受け入れ、実験や演習を通じた学びを行いました。具体的には、耐乾性牧草の生態分析、キヌアなど耐乾性の高い作物の生理分析、土壌分析、温室効果ガスの測定、農家行動に関する社会科学的分析など、多様な研究手法や実験を集中的に学びました。また、鳥取県大栄町を訪問し、JA鳥取中央女性会の皆様から地域の取組についてお話を伺うとともに、地元加工グループによる米粉製品づくり体験も行いました。

期間中、研修員からは、「日本の地域農業を支える活動に感銘を受けた」「最新の研究機器を活用した実践的な実習ができた」との声が寄せられました。さらに、ウズベキスタンでの活動経験を持つ鳥取大学の学生たちも研修をサポートし、文化や社会を相互に理解し合う交流を深めました。今後、現地での実験実施を希望する学生も出てきています。

IPDREは、今後もサマルカンド国立大学との研究交流を継続し、中央アジア地域に暮らす人々の生活改善と地域経済の発展に寄与するため、引き続き積極的に取り組んでまいります。


JA鳥取中央女性会での研修:地元の米粉加工グループ(大栄町)によるベーグルづくり体験


塩類動態モニタリングの実験装置を視察する研修員


草地を想定した温室効果ガス測定の学習


鳥取大学農学部附属農場(湖山キャンパス)での視察


最終日にはCertificationが授与された