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アジアのササゲの遺伝的多様性を明らかにしました。

Genetic diversity and structure of Asian cowpea germplasm
Ngozi Paulinus Ofem, Nasrein Mohamed Kamal, Sofie Pearson, Tracey Shatte, David Jordan, Emma Mace, Takayoshi Ishii

Journal: Scientific Report

ササゲ(Vigna unguiculata L. Walp., 2n=2x=22 )は、乾燥地で重要なタンパク源となる豆類で、アフリカを起源に世界へ広まりました。本研究では、日本の遺伝子バンクに保存された17カ国由来・405系統のササゲを対象に、約2万のDNAマーカーを使って遺伝的多様性と集団構造を解析しました(図1)。その結果、ササゲは大きく2つの集団、さらに地理的背景に基づく6つのサブグループに分かれました。特にネパールと日本の系統は独自性が高く、有用な形質を持つ可能性が示されました。一方、東南アジアと西アフリカの系統は遺伝的に近く、共通の祖先を持つと考えられます。本研究は、アジア産ササゲの遺伝資源、特にネパール・日本系統の育種利用価値を示し、環境適応や収量向上に向けた戦略に役立ちます。 

図1.様々な色や形をしたササゲの種子