Tottori University

ホーム > ニュースリリース > 第4次産業革命における農業干ばつ早期警報システムの有効性を数値化する指標の活用

第4次産業革命における農業干ばつ早期警報システムの有効性を数値化する指標の活用

Employing a metric to quantify the effectiveness of an agricultural drought early warning system during the fourth industrial revolution
Teboho E. Masupha, Mokhele E. Moeletsi and Mitsuru Tsubo

Journal: Computers and Electronics in Agriculture

干ばつ早期警報システムの有効性を評価することは、干ばつの各段階における的確な意思決定を支援するうえで重要です。
本研究では、南アフリカを事例に、農業干ばつ早期警報システムの機能性と妥当性の向上を目的として、第4次産業革命の進展を踏まえた評価を行いました。評価には、ウェブサイトと二次資料を用い、重要業績評価指標(Key Performance Indicator:KPI)に基づく比率ベースの手法を適用しました。その結果、干ばつのモニタリング、警報、情報の普及といった要素は比較的良好に機能していた一方で、農業関係者の対応力やリスク認識には依然として課題が残り、現地報告やインタラクティブマップ、ユーザーフレンドリーな設計の不足も明らかとなりました。
こうした課題に対し、AI技術、ドローン、ARデバイスの導入に加え、クラウドベースの運用や次世代インターネット(Web3.0)技術を活用することで、ネットワーク環境が不安定な地域においてもオフラインで利用可能な機能を提供することが求められます。これらの革新的な取り組みは、農業分野における回復力と持続可能性の強化に資するものであり、国際的な適用も期待されます。

図:南アフリカにおける干ばつのトウモロコシ生産への影響