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ササゲの複葉がどのように形成されるか、その仕組みの一部を明らかにしました。

Genomic analysis of a spontaneous unifoliate mutant reveals gene candidates associated with compound leaf development in Vigna unguiculata [L] Walp
Offiong Ukpong Edet, Benjamin Ewa Ubi and Takayoshi Ishii

Journal: Nature Scientific Reports

光合成を行うためには、植物の葉がどのように発達するかがとても大切です。たとえば、マメ科の植物には、「単葉」と「複葉」という2種類の葉があります。単葉はイネのように葉が一枚で分かれていないタイプで、複葉はマメ科の一部の植物に見られる、葉がいくつかに分かれているタイプです。また、成長の途中で単葉から複葉に変わる植物もあります。
ササゲというマメ科の植物では、複葉がどうやってできるのか、これまで遺伝子レベルでの研究が行われていませんでした。そこで、私たちはササゲの葉が単葉になる突然変異体を使って、この変異がなぜ起きるのかを詳しく調べました。そのために、RNA-seqと全ゲノム配列解読という技術を使って、ササゲの遺伝子を分析しました。
その結果、ササゲの複葉形成には、概日リズムと呼ばれる体内時計の働きや、ブラシノステロイドという成長ホルモンのシグナル伝達が関係していることが分かりました。この働きが弱くなると、ササゲの葉は単葉の形になり、ブラシノステロイドが不足したときに似た特徴が現れることもわかりました。これにより、乾燥した環境に適応したササゲの葉の発達に重要な遺伝子の一端を明らかにしました。


図 複葉個体、圃場で見出した単葉突然変異体の個体全体、葉、花の写真