Tottori University

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組換え近交系統を用いて高温ストレス耐性遺伝子を同定しました。

Heat stress tolerant-QTL identified using backcrossed recombinant inbred lines derived from intra-specifically diverse Aegilops tauschii accessions
Ahmed MIY, Kamal NM, Gorafi YSA, Abdalla MGA, Tahir ISA, Tsujimoto H 

Journal: Plants

これまで、私たちの研究室では、コムギ近縁種タルホコムギの遺伝的多様性を含む系統を用いて、GWAS(Genome Wide Association Study)法で高温耐性関連遺伝子の座位を推定してきました。本論文では、新たに開発した、2集団の戻し交配組換え近交系統(BIL)を用いて高温耐性に関する遺伝子座を詳細に調査しました。これら集団に含まれる合計231系統を、気温の異なるスーダンの4地域で栽培し農業形質を調査しました。一方で、これら系統を多数の分子マーカーで遺伝子型を解析しました。これらのデータを合わせ、農業形質や高温耐性指数に関する量的遺伝子座(QTL)を同定しました。その結果、39の高温耐性関連QTLが見いだされ、これらと、これまでに報告された遺伝子座を比較して、育種に利用すべき遺伝子座について議論しました。本研究から、野生種の遺伝子を利用した栽培コムギのジーンプールの拡大が、高温ストレス耐性に寄与することが確かめられました。

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農業形質に関わるコムギの遺伝子座(QTL)および既報の座位との比較。本研究で見いだされた座位を黒色および赤色の文字で示す。