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砂漠植物は環境に応じて根の共生微生物をうまく使い分けていることが分かりました。

Root endophytic bacterial and fungal communities in a natural hot desert are differentially regulated in dry and wet seasons by stochastic processes and functional traits.
Takeshi Taniguchi, Kazuo Isobe, Shogo Imada, Mohamed M. Eltayeb, Yasuaki Akaji, Masataka Nakayama, Michael F. Allen, Emma L. Aronson
(高温砂漠における根部内生細菌・真菌群集の確率過程と機能形質による制御メカニズムは乾季と雨季で異なる)

Journal:  Science of the Total Environments

砂漠植物は厳しい乾季と短い雨季のサイクルに適応して生きています。この厳しい環境への植物の適応に根の微生物がどう関与しているのかはよく分かっていませんでした。本研究では、乾燥地植物5種類の根に内生する細菌、および菌類をメタバーコーディングと呼ばれる遺伝子解析によって調べました。乾燥が厳しい夏は、乾燥に強く、植物と共生するアーバスキュラー菌根菌の感染が高まっていました。一方、冬は湿潤な環境に適応的なグラム陰性細菌の感染が高まっており、中でも植物の成長促進や窒素固定を行う細菌の感染が高まっていました。この結果は、健全な乾燥地生態系では、植物の適応度が高まるような微生物との共生関係が築かれていること、そして乾燥地で微生物を利用する際には、自然に習って複数の共生微生物をうまく使い分けることでその効果が高まることを示唆しています。

なお、本件は鳥取大学からプレスリリースされています。詳しくは以下のサイトをご覧ください。



図:研究成果の概要