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シライトソウの持つ特殊な動原体の構造を明らかにしました。

Holocentromeres can consist of merely a few megabase-sized satellite arrays
Yi-Tzu Kuo, Amanda Souza Câmara, Veit Schubert , Pavel Neumann, Jiří Macas, Michael Melzer, Jianyong Chen, Jörg Fuchs, Simone Abel, Evelyn Klocke, Bruno Huettel, Axel Himmelbach, Dmitri Demidov, Frank Dunemann, Martin Mascher, Takayoshi Ishii, André Marques and Andreas Houben
Journal: Nature communications

動原体は細胞分裂の際に紡錘糸が接着し、染色体を正確に分配するときに重要です。動原体の構造は生物によって異なることが分かっています。染色体の一か所に動原体が形成するタイプをmonocentricと言い、染色体の全体に動原体が形成するタイプをholocentricと言います。異なる動原体のタイプは生物の進化の中で複数回独立に出現してきています。本論文では、シュロソウ科のシライトソウ(Chionographis japonica)の保有する動原体の構造をゲノム解読、細胞遺伝学、分子生物学、構造シミュレーションなどの研究手法により詳細に解析しました。その結果、シライトソウはholocentricタイプの動原体を保有していますが、その構造はこれまで報告のあったmonocentricの特徴も持ち合わせており、非常に稀な動原体構造であることを明らかにしました。この発見により、生物の持つ多様な動原体構造の理解が深まりました。

左:シライトソウの染色体に対して、動原体特異的ヒストンH3(CENH3)(ピンク)とテロメア配列(緑)を可視化。右:開花したシライトソウ。
鳥取で撮影。