Tottori University

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薬剤(トリフルオロメタンスルホンアミド)によるササゲおよび双子葉類モデル植物の簡便な除雄法を開発しました。

Chemical emasculation in cowpea (Vigna unguiculata (L.) Walp.) and dicotyledonous model species using trifluoromethanesulfonamide (TFMSA) 
Yuka Sekiguchi, Benjamin Ewa Ubi and Takayoshi Ishii
Journal: Plant Reproduction

植物に遺伝的な多様性を導入するためには、交配する必要があります。植物を交配するためには、はじめに除雄作業が必須です。除雄方法には温湯除雄法、薬品法、細胞質雄性不稔法、手作業による方法などが開発されてきましたがどの方法も特定の種や品種でしか使うことができず、多大な労力と時間が必要でした。
本成果では、一般的な試薬であるトリフルオロメタンスルホンアミド(TFMSA)を水に溶かし植物にスプレーすることにより、簡便に大量の植物を除雄する方法の開発に成功しました。トリフルオロメタンスルホンアミドはこれまでにイネ科であるソルガム、トウモロコシなどの単子葉植物でその有効性が確かめられていましたが、本成果によりササゲ(マメ科)、シロイヌナズナ(アブラナ科)、タバコ(ナス科)などの双子葉類植物の代表的なモデル植物でもその有効性が明らかになり、トリフルオロメタンスルホンアミドは植物の除雄方法として普遍的に利用が可能であることが示されました。

左図:ササゲにTFMSAと水をスプレー。
右図:TFMSAをスプレーし稔性を失った(除雄した)花粉と稔性のある花粉。