Tottori University

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堆砂・静砂垣の効果を飛砂観測とUAVによる写真測量で明らかにしました。

Evaluating the sand-trapping efficiency of sand fences using a combination of wind-blown sand measurements and UAV photogrammetry at Tottori sand dunes, Japan
Jiaqi Liu, Jing Wu, and Reiji Kimura
飛砂観測とUAV写真測量を用いた鳥取砂丘における堆砂・静砂垣の効果検証
Journal: Remote Sensing

現在、鳥取(観光)砂丘の入り口付近では、駐車場や道路への飛砂を防ぐために堆砂・静砂垣が整備されています。防砂垣は飛砂を防ぎ、その後の防砂林を育成する際の手段として評価されてきましたが、その効果を定量的に検証するには至りませんでした。本研究では、最新の飛砂計測機器やUAVによる写真測量、実地測量を駆使し、堆砂・静砂垣の飛砂防止効果を定量的に評価しました。特に、風速が17m/s以下では飛砂を80%以上減少させること(17m/s以上だとその効果が落ちてくる)、堆砂垣による堆砂量は静砂垣のそれより2-4倍の量であり、堆砂垣による堆砂が増加するに伴い、飛砂防止の効果が薄れてくること、などを明らかにしました。現状、垣の高さは1m、遮蔽率は50%ですが、垣の設計改良やこれらの観測手法を組み合わせることで、砂丘のみならず乾燥地の飛砂防止対策に発展させることが期待されます。

(a)鳥取砂丘の位置図、(b) 鳥取(観光)砂丘入り口付近の堆砂・静砂垣を含む調査エリアおよび圧電飛砂計(d、e)を設置する場所、(c)風向風速計、UAVによる(f)傾斜および(g)斜面方位


春季の各時期における堆砂・静砂垣周辺の砂の侵食量(赤)と堆積量(青)および風速の風向別頻度。
(a)3月~4月、(b)4月~5月上旬、(c)5月上旬~5月下旬