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アーモンド

  • 葉
  • 核(内果皮)
  • 種子(仁)
  • 枝
  • 幹
  1. 科名: バラ科サクラ亜科
  2. 和名: アーモンド (ヘントウ)
  3. 英名: almond
  4. 学名: Prunus dulcis (Prunus amygdalus, Amygdalus communis, Amygdalus dulcis)
  5. 原産地: 中央・南西アジア(シリア北部、トルコ、コーカサス地域、イラン、イラク)



植物の説明
樹高6-10m程度になる落葉樹。核(内果皮)のかたさにより、硬核種と軟核種に分けられ、さらに軟核種は種子(仁)の風味によって苦仁類と甘仁種に分けられる。葉は披針形で鋸歯がある。花は完全花で、葉が展開する前に開花する。多くの品種が自家不和合性で、品種間で他家不和合性を示すものもある。主にミツバチが送粉に関わる。中外果皮は薄く、成熟期が近づくと自然に乾燥して裂開する。播種後3-5年目から結果するようになる。年間降水量200 mm程度の地域で栽培できる、果樹の中でも最も耐乾性の強い樹種の一つだが、耐寒性は弱い。耐暑性も強い。排水性の良い土壌を好むが、土壌の適応範囲は広く、痩せた土地でも栽培できる。土壌pH5.3-8.3の範囲で栽培できる。樹齢は20-30年程度。増殖は、種子または接木で行う。台木には、苦仁種を用いるほか、モモやスモモ、アンズ、ミロバランなどの他の種を用いることもある。
種子には、タンパク質約22%、可消化脂肪(あるいは油)57.7%、炭水化物15%が含まれる。苦仁種の種子には青酸配糖体(アミグダリン)が含まれるため食用には適さず、薬用または台木用に利用されている。幹から採れるゴムは、トラガカント・ゴムの代用品となる。原産地のシリアなどでは、未熟の果実を種子ごと生食する。
 
利用部位:
種子(食用)、種子油(食用、化粧用、薬用)、ゴム(薬用、接着剤、染色)、中外果皮(飼料)

参考文献
Tubeileh, A., Bruggeman A., Turkelboom, F. 2004. Growing Olives and Other Tree Species in Marinal Dry Environments. Internationl Center for Agricultural Research in the Dry Areas (ICARDA), Aleppo, Syria.
Wickens, G.E. 1995. Edible nuts. Non-wood forest products 5. Food and Agriculture Organization of the United Nations. Rome, Italy. (http://www.fao.org/docrep/018/v8929e/v8929e.pdf)
アンドリュー・シェヴァリエ.2000.世界薬用植物百科事典.難波恒雄(監訳).誠文堂新光社、東京.
松井弘之.1994.アーモンド.塚本洋太郎(監修).園芸植物大事典 1.pp.133-134.小学館、東京.

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