各種植物|乾燥地植物資源バンク室

ピスタチオ

科名:　ウルシ科
和名:　ピスタチオ
英名:　pistachio
学名:　Pistacia vera
原産地:　中央アジア（イラン北東部、アフガニスタン北部、ウズベキスタン南東部、タジキスタン西部、トルクメニスタン、キルギスタン西部）、地中海東部沿岸地域（トルコ、シリア、パレスチナ）

植物の説明: 樹高6-10m程度になる落葉低木。雌雄異株。奇数羽状複葉で、小葉は3-5枚。葉が展開する前に開花する。乾燥地研究センターでは、4月上旬から下旬に開花する。耐乾性で、年間降水量400-750mmの地域で栽培できる。耐冷性、耐霜性、耐暑性で、耐風性も強い。さらに、弱酸性土壌やアルカリ性土壌、塩性土壌でも栽培可能である。耐陰性や耐湿性は弱い。樹齢は700年程度。増殖は種子か接ぎ木で行う。生産地では、雌株6-10本に対して雄株1本の割合で栽培されている。
種子は、タンパク質、アミノ酸、炭水化物（ブドウ糖、ガラクトース、マンノース）、食物繊維、ビタミン（A、B1、B6、Es）、カルシウム、リン、マグネシウム、セレン、銅、不飽和脂肪酸（オレイン酸、リノレン酸）、ユビキノン（補酵素Q10）に富む。種子には油が55%含まれており、その内約80%がオレイン酸とリノール酸で占められる。アミノ酸含有量は種子の25%を占め、必須アミノ酸も含まれる。また、ポリフェノールや植物ステロール、植物スタノール等も含む。
　
利用部位：
種子（食用、薬用）、種子油（食用）、樹脂（絵具、塗料、薬用）、瘤（染料）、果皮（染料）、殻（媒染剤、タンニン）

参考文献
AL-Saghir, M. G. and Porter, D.M. 2012. Taxonomic revision of the Genus Pistacia L. (Anacardiaceae). American Journal of Plant Science 3: 12-32.
Lim, T.K. 2012. Pistacia vera. In: Edible Medicinal and Non-Medicinal Plants. Volume 1, Fruits. Springer, Netherlands, pp.142-152.
Wickens, G.E. 1995. Edible nuts. Non-wood forest products 5. Food and Agriculture Organization of the United Nations. Rome, Italy. (http://www.fao.org/docrep/018/v8929e/v8929e.pdf)
岩佐俊吉．1994．ピスタキア属．塚本洋太郎（監修）．園芸植物大事典　2．pp. 1906-1907. 小学館、東京．

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