乾燥地植物資源バンク室のホームページです

サイトマップ

お問い合わせ

ナツメヤシ

  • 個体全体(雌株)
  • 雄株
  • 雌株と果実(デーツ)
  • 雄花
  • 葉
  • 側枝
  • 果実
  • 繊維質の樹皮(コーヒー用フィルター)
  • 葉でできたカゴ
  • コムギ畑とナツメヤシ
  1. 科名: ヤシ科
  2. 和名: ナツメヤシ
  3. 英名: date palm
  4. 学名: Phoenix dactilifera
  5. 原産地: 北アフリカかペルシャ湾岸地域(アラビア半島で栽培化)



植物の説明
樹高30−36mの常緑樹。雌雄異株。乾燥地研究センターにある個体は、年に一度、4-6月に開花する。環境ストレス(乾燥、塩、高温、強光)に強い植物で、気温が-5-50℃の範囲で栽培できる。増殖は、側枝、種子、細胞培養で行う。
最も古くから栽培されてきた作物の一つで、原産地のアラビア半島や北アフリカでは、アグロフォレストリーに利用され、ナツメヤシの下で強い日差しを避けて野菜や穀類が栽培されてきた。果実(デーツ)は糖度が高く、ミネラル(カリウム、カルシウム、鉄)も豊富に含む。アラビア半島や北アフリカ、西アジアの乾燥地では、デーツは人々の食生活に密着しており、町のデーツ専門店では品種や産地別に売られている。ソフト、セミドライ、ドライの3タイプがあり、ドライは水やミルクに浸して柔らかくして食べたり、水に浸しておいて半発酵させてジュースにしている。日本では、お好み焼きのソースの原料等として使用されている。スーダン東部では、繊維状の樹皮をコーヒーポットの口に詰め、フィルターとして利用している。
 
利用部位:
果実(食用、飲料、薬用、飼料)、種子(食用、薬用、飼料)、種子の油(食用、化粧用、薬用、石鹸)、花(特に雌花の蕾、食用)、葉(新葉は食用、カゴ、敷物、ほうき、帽子、うちわ、燃料)、髄(食用)、幹(建築材、燃料)、樹皮(繊維:フィルター)、樹液(食用:砂糖、糖蜜、アルコール飲料)、ガム(薬用)、根(薬用)

参考文献
Barreveld, W.H. 1993. Date Palm Products. Food and Agriculture Organization of the United Nations, Rome, Italy. (http://www.fao.org/docrep/t0681e/t0681e00.htm#con)
Chao, C.T. and Krueger,R.R. 2007. The date palm (Phoenix dactylifera L.): Overview of biology, uses, and cultivation. HortScience 42: 1077-1082.
Lim, T.K. 2012. Phoenix dactylifera. In: Edible Medicinal and Non-Medicinal Plants. Volume 1, Fruits. Springer , Netherlands, pp.407-418.
Zaid, A. 2002. Date Palm Cultivation. Food and Agriculture Organization of the United Nations, Rome, Italy. (http://www.fao.org/docrep/006/y4360e/y4360e00.htm#Contents)
石山俊・縄田浩志(編).2013.アラブのなりわい生態系 第2巻.ナツメヤシ. 臨川書店, 京都.

一覧ページに戻る