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クロヨナ

  • 個体全体
  • 奇数羽状複葉
  • 日中、調位運動で閉じた葉
  • 幹
  1. 科名: マメ科
  2. 和名: クロヨナ
  3. 英名: Indian beech, pongam oiltree
  4. 学名: Millettia pinnata (Pongamia pinnata)
  5. 原産地: インド、タイ、ネパール、バングラデシュ、ミャンマー



植物の説明
樹高8-25m程度、幹の直径50-80cm程度の常緑あるいは落葉樹。奇数羽状複葉で、5-9枚の小葉を持つ。頂葉を除き、小葉は対生する。葉身は革質。末端枝には灰白色の皮目を密に生じる。6-27cmの腋生の総状花序が付く。1つの莢(豆果)に1-2個の種子を持つ。莢は自然には開裂しない。種子は腎臓形。播種後5-7年目から結実するようになり、1株で年間約8-24kgの種子を産する。河川や海岸近くに自生しており、耐塩性、耐アルカリ性、湛水耐性が強い。乾いた砂質土では生育が悪くなるものの、ほとんどの土壌で栽培できる。耐乾性も強く、年間降水量500-2,500mmの地域で生育できる。また、適温域が広く、成木では年平均気温1-50℃まで耐えられる。増殖は主に種子で行う。
種子には27-40%の油が含まれており、インド等で潤滑剤やニス、水彩絵の具の結合剤、石鹸の原料等に使用されてきた。近年、種子油はバイオ燃料としても注目されている。インドでは、本種をラック染料の原料となるラックカイガラムシや半寄生植物であるビャクダンの宿主としても利用している。また、発達した側根を持つため、土壌浸食防止や砂丘固定のために植林されている。スリランカでは茶畑の防風林として植えられている。耐塩性があるため、塩類集積土壌や耕作限界地での環境修復に利用されている。マメ科である本種は根粒菌と共生するため、土壌改良効果もある。

利用部位:
葉(飼料用、薬用、虫よけ)、種子(薬用、魚毒)、種子油(燃料用、薬用、皮なめし)、搾油後の種子残渣(肥料、殺虫剤)、花(薬用、蜜)、幹・枝(燃料、木材、繊維:製紙、染料)、樹皮(薬用、繊維:ひも、より糸、ロープ)、根(染料)、根の樹液(薬用) 

参考文献

Orwa, C., Mutua, A., Kindt, R., Jamnadass, R. and Anthony, S. 2009. Agroforestree Database: a tree reference and selection guide version 4.0. (http://www.worldagroforestry.org/sites/treedbs/treedatabases.asp)
Scott, P.T., Pregelj, L., Chen, N., Hadler, J.S., Djordjevic, M.A. and Gresshoff, P.M. 2008. Pongamia pinnata: A untapped resources for the biofuels industry of the future. BioEnergy Research 1: 2-11.
Zhang, D. and Pedley, L. 2010. Pongamia. Flora of China 10: 187-188. (http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=200012287)

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