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ギンゴウカン(ギンネム)

  • 2回羽状複葉
  • 葉と枝
  • 実生
  • 夕方、就眠運動により閉じかけた葉
  • 夕方、就眠運動により閉じかけた葉
  • 枝と葉柄(葉は互生)
  • 幹
  • 種子
  1. 科名: マメ科ネムノキ亜科
  2. 和名: ギンゴウカン(ギンネム)
  3. 英名: leucaena, Jumpy-bean, wild tamarind, lead tree, white popinac, white leadtree, horse tamarind
  4. 学名: Leucaena leucocephala (L. glauca)
  5. 原産地: 北米(アメリカ)、中南米(エルサルバドル、グアテマラ、コスタリカ、コロンビア、ニカラグア、パナマ、ホンデュラス、メキシコ)、ヨーロッパ(スペイン)



植物の説明
樹高3-20m、幹の直径10-50cm程度になる常緑の低木あるいは中木。葉は2回羽状複葉で、6-9対の羽片があり、羽片当たり小葉は11-23対ある。葉や小葉は、熱や寒さ、水欠乏により閉じる。一年を通して、一個体に花および未熟あるいは登熟した莢が同時に見られる。花は自家稔性で、種子はほぼ自家受粉により得られる。深根性。年間降水量650-3,000mmの地域で栽培できるなど、耐乾性は強い。しかし、耐寒性は弱く、日中の気温が10℃の地域が栽培限界と考えられている。耐火性は強く、火災や食害からの再生能力も高い。病虫害を受けると、アラビアゴムに似たゴムを生産する。マメ科の木本植物の中では、中程度の耐陰性を有する。リンおよびカルシウム欠乏に弱い。増殖は種子で行う。
アグロフォレストリーでは、遮光や緑肥、浸食防止用、作物の支柱として植えられてきた。また、薪は灰や煙を出さない良質の炭となる。生垣としても利用されている。葉や莢、種子に有毒なアミノ酸(ミモシン)を含むため、少量しか食用には適さない。オーストラリアやパプアニューギニアなどを除き、他の地域では反芻動物の第1胃にミモシンを無毒化できる微生物がいるため、飼料として利用されてきた。
樹齢が長く、葉や莢は飼料として栄養価が高く、食用や緑肥、薪炭材など多用な用途があることから、1970年代から1980年代初頭にかけては“奇跡の木”として知られていた。一時期、世界各地に導入されたが、在来植物種を駆逐するため、現在では排他的侵入植物として、国際自然保護連合(IUCN)の種の保全委員会が作成した世界の侵略的外来種ワースト100 (100 of the World's Worst Invasive Alien Species)にリストアップされている。

利用部位:
葉(食用、飼料、緑肥)、幹(製紙、薪炭材、木材:家具、床、棒、支柱)、種子(食用、装飾品)、ゴム

参考文献

Orwa, C., Mutua, A. , Kindt, R., Jamnadass, R. and Simons, A. 2009. Agroforestree Database: a tree reference and selection guide. version 4.0 (http://www.worldagroforestry.org/sites/treedbs/treedatabases.asp)
Shelton, H. M. and Brewbaker, J. L. 1994. Leucaena leucocephala - the most widely used forage tree legume. In: Gutteridge, R. C. and Shelton, H. M. (eds). Forage Tree Legumes in Tropical Agriculture. CAB International, Wallingford, U.K. pp.15-30. (http://www.fao.org/ag/AGP/AGPC/doc/Publicat/Gutt-shel/x5556e00.htm#Contents)
Wu, D. and Nielsen, I.C. 2010. Tribe Mimmoseae. Flora of China 10: 50-54. (http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=20825)

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