各種植物|乾燥地植物資源バンク室

アルガンノキ

科名:　アカテツ科
和名:　アルガンノキ
英名:　argan tree
学名:　Argania spinosa (A. sideroxylon)
原産地:　モロッコ（南西部）

植物の説明: 樹高2.75-10m程度の有刺の常緑樹だが、大きなものでは樹高21m、幹回り6mに達する。果実には1-3個の種子が含まれる。種子は多胚性で、1つの種子から複数の芽が出る。成長は遅い。通常、樹齢は125-250年程度だが、400年を超す個体もある。春と秋の2度開花する。雌雄同株で、自家不和合性が強い他殖性の樹木。播種後5-6年目から結実するようになる。乾燥に強く、年間降水量100-400mmの地帯で自生あるいは栽培されている。土壌を選ばず、やせた土地や弱塩性土壌でも栽培できるが、流砂や湛水条件では栽培できない。増殖は、種子か挿木で行う。
種子100kgから1-2kgの油が取れる。油の約80%は不飽和脂肪酸（オレイン酸45.2-46.9%、リノール酸31.8-34.6%）で、飽和脂肪酸は、パルミチン酸（13.5-13.9%）とステアリン酸（5.6-5.7%）が主である。モロッコでは、アルガンオイルはオリーブオイルの2倍の価格で取引されている。木材は、農具や調理器具等の材料として利用されている。モロッコでは、アルガンツリーは土壌肥沃度向上のためにアグロフォレストリーに用いられ、樹間でオオムギ等が栽培されてきた。また、土壌保全や防風林としても植栽されている。

利用部位：
種子油（食用、化粧品用、石鹸）、搾油後の種子残渣（飼料）、果実（飼料）、葉（飼料）、幹（木材、薪炭材）

参考文献
Morton, J.F. and Voss, G.L. 1987. The argan tree (Argania sideroxylon, Sapotaceae), a desert source of edible oil. Economic Botany 41: 221-233.
Nerd, A., Irijimovich, V. and Mizrahi, Y. 1998. Physiology, breeding system and fruit development of argan [Argania spinosa, Sapotaceae] cultivated in Israel. Economic Botany 52: 161-167.
Nouaim, R., Mangin, G., Breuil, M.C. and Chaussod, R. 2002. The argan tree (Argania spinosa) in Morocco: Propagation by seeds, cuttings and in-vitro techniques. Agroforestry Systems 54: 71-81.
Wickens, G.E. 1995. Edible nuts. Non-wood forest products 5. Food and Agriculture Organization of the United Nations. Rome, Italy. (http://www.fao.org/docrep/018/v8929e/v8929e.pdf)

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