モンゴル視察

2013年8月24日～31日、田中久隆鳥取大学研究担当・環境担当理事、盛田乾燥地研究センター事務長がモンゴルの黄砂観測施設を視察にいきました。現地では、篠田乾燥地研究センター教授及びJugderIMHE職員（乾燥地研究センター元客員教授）が同行し、黄砂観測施設のあるツォグトオボー、バヤンウンジュールを視察、またモンゴル気象水文環境研究所（IMHE）への表敬訪問を行いました。ツォグトオボーの観測施設では、黒崎乾燥地研究センター助教より施設の説明を受けました。

ツォグトオボーの市役所にて。 前左より副ソム長、篠田教授、田中理事、Jugder先生。 後ろ左より盛田事務長、市役所スタッフ、観測施設監視員、黒崎助教。	ツォグトオボーの黄砂観測施設。 黒崎助教の説明を受ける田中理事。	バヤンウンジュールの黄砂観測施設。
モンゴル気象水文環境研究所（IMHE）表敬訪問。 左より田中理事、IMHE　Sara所長、篠田教授。	マンダルゴビの風景。	マンダルゴビの風景。

内モンゴル草原行

2012年９月７日～１３日、中国・内モンゴル東部の草原に植生調査にいってきました。もともとはモンゴル国も内モンゴルも同じモンゴル族が住み、遊牧をしていたのですが、両国の分断後、国境を隔てて人間活動の影響の差がみられるかどうかを概査するためでした。現地では、2000年前後に大規模な沙地から黄砂が多量に発生し北京まで押し寄せました。これをきっかけにして、退牧還草（放牧を止め草原に戻す政策）といわれる国家的プロジェクトが始まりました。当時と比べると家畜の数をコントロールし抑えたため、植生も回復してきたようです。その政策によって、植生を回復させるために家畜とともに移住させられた牧民（いわゆる「生態移民」）のかつての村が廃墟になっている様子もみられました。

行く先々でみられた風力発電	家畜の水場から離れた草原 Stipa krylovii優先するステップ
黄砂発生源である渾善達克沙地（Otingdag sandy land）の半固定砂丘	牧民の聞き取り調査

影響評価グループ。

【黄土高原における黄砂飛散による外来受診者数の変動】
影響評価グループでは乾燥地の現場と日本国内において、黄砂が人間の健康、人間活動および自然生態系に与える影響について様々な調査研究を行っています。今回は乾燥地現場の黄土高原での黄砂の急性影響を解明するため、外来受診状況に関する調査を行いました。黄土高原にある地方の総合病院の協力を得て、黄砂頻発期4～6月の間、毎日の各診療科の外来受診者数を記録してもらいました。それと併行して、ダスト発生、気温、相対湿度等の気象環境情報も収集しました。2012年７月に現地の総合病院においてデータ回収を行い、現在データ解析を進めているところです。

草萌える夏の黄土高原風景（2012.7.31）	研究プロトコル

モンゴル・ツォクトオボーに黄砂観測システムを設置しました。

2012年3月16日～26日にかけてモンゴルのゴビ砂漠にあるツォクトオボー郡に滞在し、黄砂観測システムの設置を行ってきました。気象台データによるとツォクトオボーは東アジアの中で最も黄砂発生が観測されている地点であり、衛星画像を眺めると日本に飛来する黄砂の重要な発生源のひとつと見られます。3月はすでに黄砂発生の季節ですが、設置期間中は大規模な黄砂発生イベントに遭遇することはありませんでした。しかしながら、気温が低い上に風が強いため体感気温の低い日が多く、22日午前中は氷点下、最大風速14m/s、雪が舞う中の過酷な作業でした。砂漠の中の黄砂が頻繁に発生する地点ですので、設置前は風速10m/sぐらいの少し強い風で土壌粒子が舞い上がる様子が頻繁に見られると考えていましたが、前述の通りそういったことはありませんでした。なぜ強風でも黄砂が発生しなかったのか？季節や年によって黄砂発生条件は変化するのか？こういった疑問点を解明することが黄砂発生原因を解き明かす大きな鍵になると考えています。

３月２２日　宿にて。朝起きるとうっすらと雪が積もっていた。	３月２２日　気象台。積雪がパッチ状にみられる。	３月２２日　雪が舞う中の設置作業。
３月２３日　観測サイト内にて。	３月２３日　観測サイト全景。ほぼ設置完了時の様子。

西アフリカのマリ共和国を訪ねました。