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オリーブ

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  1. 科名: モクセイ科
  2. 和名: オリーブ
  3. 英名: olive
  4. 学名: Olea europaea
  5. 原産地: 不明(パレスチナ、シリアおよびトルコの沿岸部で栽培化)



植物の説明
樹高15m程度の常緑樹。樹齢1,000年以上にもなる。自家稔性の低い自家不和合性の品種が多い。乾燥地研究センターでは、6月上旬に開花する。一般的にオリーブは両性花(完全花)だが、雄しべあるいは雌しべの退化した不完全花も多い。播種後10-15年目から開花・結実するようになる。苗を移植した場合は、早い品種で3-4年で結実するようになる。耐乾性が強く、年間降水量150-1,300mmの地域で栽培されている。耐塩性、耐暑性、耐冷性(-8℃以上)。低栄養土壌でも栽培できるが、湛水には弱い。最適土壌pH 7.0-8.0。増殖は種子、接木(切り接ぎ、芽接ぎ)、挿木で行う。
地中海沿岸地域で約5,000-6,000年前から栽培されてきた。果実の油含有量は、油用の品種で23-33%、漬物用の品種で10-18%。果実の油には、主にオレイン酸(60-77%)とリノール酸(9-23%)が含まれている。葉にはオレオロピン、オレアステロール、レインが含まれている。古来より、葉は平和、祝福、幸運、豊穣、勝利の象徴とされてきた。日本では油の利用が主だが、地中海沿岸地域では果実の漬物も重要な生産物になっており、専門店もある。
 
利用部位:
果実(食用、油)、果実の油(食用、薬用、化粧用、石鹸、整髪料、育毛剤、工業用)、種子(油)、幹(食器、家具)、葉(薬用)

参考文献
Barakat, H. and Aziz, I. A. 2010. Guide to Plants of Ancient Egypt. Bibliotheca Alexandrina, Alexandria, Egypt.
Tubeileh, A., Bruggeman A., Turkelboom, F. 2004. Growing Olives and Other Tree Species in Marinal Dry Environments. Internationl Center for Agricultural Research in the Dry Areas (ICARDA), Aleppo, Syria.
アンドリュー・シェヴァリエ.2000.世界薬用植物百科事典.難波恒雄(監訳)誠文堂新光社、東京.
高木真人・柴田英明.2010.オリーブ.地域食材大百科 第3巻:果実・木の実・ハーブ.農文協(編).pp.64-69、農文協、東京.
五井正憲・塚本洋太郎.1994.オレア属.塚本洋太郎(監修).園芸植物大事典 1.pp.435-436. 小学館、東京.

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