セミナー情報

黄砂プロジェクトでは、黄砂に関わる基本的事項を勉強し、理解を深めていただくため、黄砂全般にかかわる勉強会「黄砂セミナー」を開催しています。

興味のある方はお誘い合わせのうえ、参加願います。

平成25年度 第5回 黄砂セミナー

第5回黄砂セミナー

講師:牧 輝弥 准教授 (金沢大学理工研究域 物質化学系)

バイオエアロゾルによって風成される微生物の生態学的特徴
15:00-16:00


今回は金沢大学の牧輝弥先生をお招きし、黄砂粒子が運ぶ微生物についてご講演いただきます。大気中を浮遊するウイルス、細菌、カビ、花粉などの微生物あるいはそれらを運ぶ黄砂などの担体(carrier)はバイオエアロゾルと呼ばれ、日本など黄砂の風下域に暮らす人の健康や微生物生態系への影響が懸念されています。
タクラマカン砂漠、ゴビ砂漠などから長距離(3,000km以上)輸送される微生物は、気温変化、乾燥、酸素制限、紫外線照射などの環境ストレスに順応しなければ日本に飛来できません。黄砂はしばしば海塩粒子と一緒に飛来するため、黄砂と一緒に飛来する微生物には耐塩細菌が生残し続けると予想され、また、耐塩細菌はpHおよび気温変化や乾燥などのストレス因子に耐えうる構造を有することから、牧先生は『耐塩細菌は、大気中で生存しやすく、黄砂とともに長距離輸送され、生息域を広げる』という仮説を立てて研究を進めていらっしゃいます。これまで、黄砂発生域の敦煌と飛来地である能登半島の上空で黄砂粒子を採取し、微生物群の種組成および生態学的特徴を明らかにされてきました。本講演では、これらの調査から得られた結果をお話しいただく予定です。
牧先生は、能登半島上空で採取した納豆菌から作った「そらなっとう」の開発者としても有名です。講演日当日は「そらなっとう」も用意いたします。参加申込みは不要ですので、興味のある方は、是非、ご参加下さい。

日時:
2014年1月29日(水)15時~16時
場所:
乾燥地研究センター 会議室