文部科学省特別経費事業
「乾燥地植物資源を活用した天水栽培限界地における作物生産技術の開発
-世界の耕作限界地における持続的開発を目指して-」
世界の20%以上の人々が乾燥地で暮らしているが、彼らの生活は自然環境の影響を大きく受け脆弱で、 貧困、食糧不足など様々な問題に直面している。このプロジェクトは生活の基盤である食糧、油糧、 飼料作物を対象に、進んだ分子生物学的技術による作物改良と保全型栽培管理技術を合わせることにより、 年間降水量300ミリメートル台の降雨依存農業地域で、持続的な生産を可能にする農業技術パッケージを 作ることに挑戦する。
本プロジェクトは、①育種研究グループ、②栽培研究グループ、および③乾燥地植物資源バンク室の3チームから構成されています。
育種研究グループでは、野生植物や異種生物遺伝子を利用したコムギと燃料用の油糧作物である ジャトロファ(ナンヨウアブラギリ)等の乾燥、高温等の乾燥地関連ストレス耐性の改良を行います。 また、植物ホルモン制御による耐乾性機構の付与や効率的耐乾性個体選抜技術を開発します。
栽培研究グループでは、効率的水利用・土壌保全技術、持続的草地管理技術、植物成長のモデリングと 適切栽培システムを構築します。また、内在菌類や菌根菌の活用による耐性強化技術を開発します。
乾燥地植物資源バンクは、このプロジェクトで開発された系統を管理すると共に、海外のジーンバンクと連携し、 植物資源の受け入れと提供を行います。
さらに、これらを統合して乾燥地に有効な農業技術パッケージを創ります。これらの研究は、
これまでの国際交流で構築した、国際乾燥地農業研究センター(ICARDA)、スーダン農業研究機構、
中国蘭州大学、メキシコINIFAP等と共同で行います。
栽培RG副リーダー
持続的土地管理