さぁ、これから僕がみんなの質問に答えていくよ。
一緒に、砂漠と乾燥地について勉強しよう!
「砂がいっぱいあるところ」
「鳥取砂丘みたいなもの」
みなさんがイメージする砂漠って、このイラストのような砂漠じゃありませんか?
けれど、実際のところ、砂ばかりでできている砂漠(砂砂漠)は世界の砂漠のうちの20%ほどしかありません。
じゃあ他の80%はどんな砂漠かというと、細かな粘土や土でできている砂漠(土砂漠)、石ころがゴロゴロ散らばっている砂漠(レキ砂漠)、巨大な岩が多く出ている砂漠(岩石砂漠)などがあります。
このように、砂漠といっても、砂であったり、土であったり、石であったりと、さまざまな砂漠があります。
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砂砂漠
(撮影:稲永忍)
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土砂漠
(撮影:稲永忍) |
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レキ砂漠(中国、新疆)
(撮影:山中典和) |
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岩石砂漠(中国、新疆)
(撮影:山中典和) |
じゃあ、砂漠に共通する特徴
って、なに?
砂漠とは雨が少なくて、植物が育たないか、育ちにくいところなんだ!
つまりとっても乾燥した地域である、ということなんだ!
基本的には人間が住むことができない非常に乾燥している土地です。
でも、どれくらい乾燥していたら砂漠といえるのでしょうか?
乾燥の程度は雨の量と地面から失われる水の量(「直接地面から失われる場合:蒸発」と「植物が息をすることで失われる場合:蒸散」があります)とのバランスで決まります。雨が降っても、地面から失われる水の量が多ければ大地は乾燥するのです。
世界の乾燥地はその乾燥の程度によって4つに分けられています。ここでは簡単に一年間に降る雨の量で見てみましょう。
乾燥地区分 |
乾燥度指数※ |
おおよその年間降水量 |
土地利用方法 |
極乾燥地域 |
<0.05 |
一年間の雨量がだいたい200mm未満の地域 |
主に放牧地、オアシス農業など |
乾燥地域 |
0.05-0.20 |
半乾燥地域 |
0.20-0.50 |
一年間の雨量がだいたい200~800mmの地域 |
放牧や天水農業は可能。ただし、収量などは雨に大変左右される |
乾性半湿潤地域 |
0.50-0.65 |
一年間の雨量が800~1500mmの地域 |
※乾燥度指数とは、年間の降水量を可能蒸発散量(水が十分にある状態での地面からの蒸発量と植物からの蒸発量の合計)で割った比の値。
このうち極乾燥地域がほとんど雨の降らない地域で、人の生活が難しく、植物もほとんど見られない、いわゆる「砂漠」であるということができます。
どうしてかというと、たくさん雨が降るからです。 鳥取には、一年間に2000mm以上の雨が降ります。だから決して乾燥地ではありません。植物が生えないのは砂が動いているからで、砂の動きが止まればたちまち植物がたくさん生えてきます。
鳥取砂丘では、防砂林を作った1970年代ごろから徐々に砂の動きが止まり雑草が生えてしまって、砂丘が「草原化」するという問題が起こりはじめました。鳥取砂丘は貴重な天然記念物なので、今では砂丘の除草作業
などをして、砂丘を守っています。
じゃあ、鳥取砂丘に砂がいっぱいあるのは
どうして?
鳥取砂丘の砂は、千代川
が運んできた砂なんだ
鳥取砂丘の砂は砂漠とはまったく違う方法でやってきた砂です。海岸砂丘と呼ばれています。
砂丘の砂の原料となる石英や雲母、長石などの鉱物は、中国山地から千代川
の流れに乗って日本海まで運ばれてきました。河口から海へ出た砂は沿岸流によって海岸に打ちよせられました。そして地表に現れた砂は陸に向かう強い季節風によってさらに内陸に運ばれて砂丘を作ったのです。