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砂漠さばくのでき方を教えて!

砂漠さばくのでき方は、大きく分けて4つあるんだよ

自然の砂漠さばくは、砂漠さばくができる場所の性質から大きく4つに分けられます。どういう理由で地球上に非常に乾燥かんそうした場所ができるのかを考えてみましょう。

1.亜熱帯砂漠あねったいさばく

これは亜熱帯あねったいにできる砂漠さばくです。赤道を中心にした熱帯地域にはたくさん雨が降ります。熱帯では湿った空気が空高く上り、雨を降らせたあと乾燥かんそうし、亜熱帯あねったい地域で下向きの流れとなって降りてきます。この乾燥かんそうした空気の流れは下降するにつれて熱せられ、地面に達するころには暑く乾いた空気となります。このために熱帯をはさんで南北に広がる亜熱帯あねったい(緯度15~30°付近)には砂漠さばくができるのです。サハラ砂漠さばくやアラビア砂漠さばく、オーストラリア砂漠さばくなどが亜熱帯あねったいにあります。

2.冷涼海岸砂漠れいりょうかいがんさばく

これは海岸にできる砂漠さばくです。海岸の中でも沖に冷たい寒流が流れているところにできます。こういうところでは海岸付近の空気は冷たく、海岸からはなれた山地帯で空気が暖かくなっています。このため雨を降らせる上昇気流じょうしょうきりゅうというのが発生せず、雨が降りにくくなります。でも海岸が近いこともあり、空気は湿っていてしばしば霧が発生する独特の砂漠さばくができます。北アメリカの砂漠さばくの一部や南アメリカのチリのアタカマ砂漠さばく、アフリカのナミブ砂漠さばくなどはこのようにしてできた砂漠さばくです。ナミブ砂漠さばくやアタカマ砂漠さばくは何十年間も雨の降らない、ものすごく乾燥かんそうした砂漠さばくです。

3.大陸内部砂漠たいりくないぶさばく

大陸の内部にできる砂漠さばくです。陸地に降る雨のほとんどは海から運ばれてきた水分です。だから海から遠く離れた大陸の内部では、空気が乾燥かんそう砂漠さばくができるのです。サハラ砂漠さばく、オーストラリア砂漠さばく、トルキスタン砂漠さばく、タクラマカン砂漠さばく等は大陸の内部にできた砂漠さばくです。

4.雨陰砂漠あまかげさばく

大きな山脈の風下側にできる砂漠さばくです。水分を含んだ空気は上昇気流じょうしょうきりゅうとなり山の斜面に沿って上っていきます。その山を上っていく途中で雨を降らせるために、山を越えた風下側では乾燥かんそうした空気となります。このため大きな山脈の風下側は乾燥かんそうし、砂漠さばくができるのです。中国のタクラマカン砂漠さばくは南北に大きな山脈があって、海からの湿った空気がやってきません。

鳥取市の夏と冬の気候もこれに非常によく似ています。夏は南からの暖かく湿った空気が中国山地にぶつかり、雨を降らせますが、その空気が山を降りると暑く乾いた空気をもたらします。この時期は乾燥かんそう注意報がたびたび発令されて、火事には注意が必要です。冬は大陸からの北西の季節風が日本海を渡るときに大量の水分を補給ほきゅうし、その空気が中国山地にぶつかることで、大量の雪が降ります。このように気候と地形の間には密接みっせつな関係があります。


「中国・四国地域の農業気象」日本農業気象学会中国・四国支部編
農林統計協会より



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