研究内容

      植物生理生態学研究室では、乾燥地における植物や作物の生理生態学と適正栽培技術の開発を中心的課題としています。特に、植物と作物の環境ストレス応答とその耐性機構の解明、乾燥地農業における水利用効率向上技術の開発、作物の塩および乾燥ストレス緩和技術の開発などに力を入れています。これらの研究は国内における基礎研究と国外での乾燥地の現場における応用研究を組み合わせた研究を進めています。また、砂漠と砂漠化地域において植物の分布と土壌環境を調査し、分布の特性から植物と土壌との相関関係を解明する研究も重点的に取り組んでいます。この研究は、砂漠及び砂漠化地域の植生回復に相応しい緑化用樹種・草種の選定、栽培方法の確立などの策定に役立ち、さらに、生態系の環境維持に重要な役割を果たす植物や経済的に価値の高い植物を発見した場合、これらの植物の生理生態特性を解明し、農業利用に適切な栽培技術を開発しています。具体的には、以下の課題について進めています。

1. 作物の根の特性と環境ストレス耐性との関係の解明。

2. 根細胞壁の化学性・物理性と植物の耐塩性の関係の解明。

3. 生態系において重要な植物と経済価値の高い塩生植物の生理生態の解明および栽培技術開発。

4. 中国の砂漠と砂漠化地域における植物の分布調査および土壌との相関関係の研究。