実際の現場で起こる干ばつに似せた進行性の干ばつストレスを、人工気象器の中に設置した土壌水分調整装置を用いて再現し、パンコムギが示す生理応答と細胞内での代謝物の網羅的調査を行いました。この研究の結果、植物が干ばつに応答を始めるときの臨界状態から、コムギはアブシジン酸シグナル伝達により、気孔を閉じ、二酸化炭素の供給を減少させ、植物体の温度を高めることが分かりました。また、メタボローム解析により、4つの干ばつ応答性バイオマーカーを明らかにし、窒素リサイクルを強化し、セロトニンを蓄積して老化に対抗する反応をすることが分かりました。この結果は、乾燥耐性コムギ品種開発に際し、重要な科学的知見です
土壌水分調整装置 |