ササゲが持つ2種類の動原体特異的ヒストンH3(CENH3)を調べました。



Unequal contribution of two paralogous CENH3 variants in cowpea centromere function
(ササゲの動原体機能における2種類のCENH3の不均等な貢献)
掲載誌:Communications Biology
https://rdcu.be/cce96



動原体を改変する事によって、育種年限の大幅な短縮が可能であり、気候変動に対応した作物を迅速に作出する新たな技術が確立されつつある。乾燥地で重要なマメ科作物のササゲが保有する2種類の動原体特異的ヒストンH3(CENH3.1、CENH3.2)遺伝子の機能を細胞遺伝学、分子生物学、ゲノム編集技術を駆使して詳細に解析した。CENH3.1はササゲの生活環に必須である事、CENH3.2は動原体の機能を一部補完する事が明らかになった。我々の動原体機能への理解を深め、ササゲの動原体改変による育種年限の短縮技術開発への道を切り開いた。


 
Ishii et al., 2020, Communications Biologyより
ササゲ(cowpea)はアフリカ起源のマメ科作物で、機能的な動原体には2種類の動原体特異的ヒストンH3タンパク質(CENH3.1, CENH3.2)が局在している。