鳥取大学乾燥地研究センターの辻本壽教授、妻鹿良亮研究員らの国際共同研究チームは、耐乾性に関与するアブシジン酸(ABA) 受容体に着目し、そのタンパク質をコムギの植物体内で多く作らせることで、水消費量を抑えながら穀物生産を実現する節水型耐乾性コムギを開発することに成功しました。本研究成果は、降水量が少ないために耕作が困難であった乾燥地や干ばつが多発する地域における食糧生産の切り札になることが期待されます。
本研究は、宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センターの岡本昌憲助教、鳥取大学乾燥地研究センターの妻鹿良亮研究員および辻本壽教授、農業・食品産業技術総合研究機構次世代作物開発研究センターの安倍史高主任研究員、理化学研究所環境資源科学研究センターの菊地淳チームリーダーおよび金俊植基礎科学特別研究員らを中心とする国際共同研究チームによる研究成果として、2019年2月8日(英国時間)に国際学術雑誌「Nature
Plants」のオンライン版で公開されました。
乾燥ストレス環境下での栽培試験 通常のコムギ(コントロール株)とABA受容体タンパク質を細胞内に多く蓄積できるコムギ(TaPYLox) | 妻鹿研究員 |