大谷准教授(国際乾燥地研究教育機構、乾燥地センター兼務教員)、マズバウティン研究員(国際乾燥地研究教育機構)らの論文がRural and remote
health誌に掲載されました。
モンゴルはゾドと呼ばれる家畜および地域社会に甚大な被害をもたらす寒冷災害にたびたび見舞われます。ゾド時は家畜だけでなく、乳幼児の死亡率も悪化することが指摘されていましたが、詳細は明らかではありませんでした。そこで私たちは、ゾドにおける子供の死亡率に影響を与える要因について様々な角度から分析しました。
その結果、直近のゾド(2009〜2010年)において、家畜死亡率が高い県ほど、5歳未満の子供の死亡率が悪化していました。また、この死亡率には気温や積雪量は関係せず、各県の医師数や都市化の程度が大きく影響していることがわかりました。
モンゴル全体では人口ひとりあたりの医師数は日本よりも多いのですが、医療水準の地域間の格差が大きく、また、インフラ整備も遅れているため、地方では災害の影響がより顕著になるようです。
厳冬期のモンゴル遊牧地 |