エジプト・ダハラオアシスの気象特性、農地面積の変遷、水利用に関して、SYNOP気象データ、衛星データおよび現地における観測データを融合して解析した論文が木村准教授らの共同研究によって、Remote Sensingに発表されました。


Analysis of the Recent Agricultural Situation of Dakhla Oasis, Egypt, Using Meteorological and Satellite Data
(気象データ・衛星データを用いたエジプト・ダハラオアシスにおける近年の農業状況)
https://www.mdpi.com/2072-4292/12/8/1264


ダハラオアシスはエジプトの西方砂漠に位置する気候学的には極乾燥地に分類される降雨のない地域ですが、ヌビア帯水層による地下水を用いて灌漑農業が営まれています。オアシスにおける生活を半持続的に続けていくためには計画的な水利用が必要ですが、本研究によって2000年以降の農地面積は1年あたり13.8km2増加していることが衛星データによって確認されました。特に、2011年に起こった革命以降の増加率がそれ以前よりも高くなっています(21.2km2)。オアシスの一人当たりの水使用量はエジプト国民平均の約3倍であり、国民平均並みに戻すには農地面積を1980~1990年代に戻す必要があることが示唆されました。


   
エジプト政府に管理された深井戸   夏の水田耕作