鳥取砂丘の植生や砂面変動の空間分布の経年変化に関する論文が、高山准教授(大阪工業大学)との共同研究によって、International Journal of Remote Sensingに発表されました。


ong-term spatial distribution of vegetation and sand movement following the commencement of landscape conservation activities to curb grassland encroachment at the Tottori Sand Dunes natural monument
(天然記念物鳥取砂丘の草原化に対する景観保全活動による植生および砂面変動の空間分布の変遷)


 天然記念物鳥取砂丘は1991年に約42%が外来植物に覆われるなど、かつて草原化が問題となっていました。過去の空中土地調査データ、人工衛星データ、ドローンにより撮影した空中写真などを活用して、砂丘の動きと植生繁茂の変遷を調べました。その結果、1994年から現在に至るまで続けられてきた景観保全活動により、かつて草原化が深刻だった第一砂丘列から西側の飛砂防備保安林近辺を中心に植被率が減少し、砂丘地が復活していることが伺えました。他方、通称「馬の背」とも呼ばれる第二砂丘列が、約50年間で30m程度内陸側へ前進するなど、後背の住宅地や道路に対して過度な飛砂を防ぐことの難しさも浮き彫りになりました。