小林准教授と恒川教授の論文がAsian-Australasian Journal of Animal Sciencesに掲載されました。


Appropriate level of alfalfa hay in diets for rearing Simmental crossbred calves in dryland China
(中国乾燥地のシンメンタール種子牛向け飼料におけるアルファルファ乾草の適切な混合割合)


 たんぱく質やビタミン類を豊富に含む牧草「アルファルファ」はマメ科の多年草で、栄養価の高さから「飼料の王様」と呼ばれ、乾燥に耐えて育つことから世界で広く栽培されています。私たちは中国・甘粛省で、アルファルファ乾草を使った肉用牛の飼養方法の改善に取り組みました。
 人口増加と食生活の変化が進む中国では牛肉消費量の伸びが顕著です。牛の飼育頭数も急増し、草地が養える数以上の家畜を飼育する「過放牧」によって荒廃の進んだ土地が見られます。過放牧や草地の荒廃を防止しようと中国政府は、飼料を与えて牛舎で飼育することを推奨しています。
 甘粛省は、政府が指定した肉用牛生産の重点地域です。農家は、自ら栽培したトウモロコシの茎や葉に加え、大豆かすなどの市場で購入した濃厚飼料を与えて牛を飼養しています。濃厚飼料は栄養価に優れますが、高価なことから、農家の収入向上のためには最小限の量を効率的に利用することが重要です。
 私たちは、中国で広く飼育されるシンメンタール種の飼料に、割合を変えてアルファルファを混ぜる実験をしました。その結果、アルファルファをある程度混合することで、体重増加率を減少させずに飼料コストを下げられることがわかりました。濃厚飼料の代替としてアルファルファを活用することの妥当性と、その適切な混合割合を明らかにすることができました。



アルファルファ混合飼料による飼養試験