レキ被覆率が飛砂量に与える影響を小型簡易風洞を用いて解明


Wind speed characteristics and blown sand flux over a gravel surface in a compact wind tunnel
(小型風洞を用いたレキ面の風速特性と飛砂量)


劉佳啓プロジェクト研究員と木村准教授の論文がAeolian Researchに掲載されました。

乱流発生器を併用した小型簡易風洞を使って、レキ被覆率の変化が粗度長と飛砂量に与える影響について検討しました。その結果、レキ被覆率が5%から15%の範囲では、被覆率の増加に伴い、粗度長は増加しました。しかし、被覆率が20%以上になると、砂のみの床面状態の粗度長の値に近くなりました。飛砂量に関しては、風速が7m/s以内では、レキ被覆率が15%以上で飛砂をトラップする効果がありました。しかし、風速が8m/s以上になると被覆率による効果は薄れ、風速が10m/sになるとレキ被覆による飛砂補足の効果はほぼなくなりました。レキ被覆率の増加(5%~15%)による粗度長の増加は、高さ8cm以内の飛砂量の減少と対応していました。しかし、レキ被覆率の増加(20%~30%)による粗度長の減少は、高さ8cmにおける飛砂量の増加に対応していました。このことから、レキ密度が20%以上になると、高さ8cm未満のトータルな飛砂量は減少するものの、空気力学的に滑らかになることで高さ8cmにおける飛砂量だけが増加することが示唆されました。



現場の様子 劉研究員