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黄土高原について

中国内陸部の砂漠化

中国の黄土高原では長年にわたり植生が改変され、山の頂上まで畑が作り続けられてきました。 その結果、地表を一面に覆う緑を失った大地は、わずかな雨でも表面が削られ、土砂が流されてゆきます。土砂が流れる谷がどんどん拡大し、努力して開墾した畑も次第に狭められてゆくのです。 水による大地の侵食、これが黄土高原に生じている砂漠化を象徴するものです。


大地を覆う緑がないとすぐに洪水が起こる

 2002年7月31日、黄土高原の中心都市、延安近郊で調査をしていると午後から天気が悪くなり、雨となりました。この雨は局地的なもので、7mm程度のものでしたが、はげ山状態の山地に降った雨は、ほとんど地中に吸収されることなく、大地の表面を流れ下り、川へと流入します。結果、普段はほとんど水の流れていない川の水位が上がり、濁流が流れました。水はけの悪い場所では洪水になりました。乾燥地では雨が少ないのですが、一度降ると、植生がないため洪水状態に陥ることが珍しくありません。土砂を巻き込んだ水は最終的に黄河へと流れ込みます。


延安市内を流れる川(通常の状態)

(2002年7月31日)


黄土高原は細かい粘土質の土からできています。この大地に雨が降ると、わずかの量でも土の表面はズルズルになり非常に滑りやすくなります。車はスリップして通行不能となり(写真左)、雨が続けば道路はえぐられてしまいます(写真右)


その他の砂漠化現象

黄土高原の北部、楡林で遭遇した砂嵐

風食と砂嵐
黄土高原の北部では砂に覆われた地域が広がっています。ここでは風が吹くと砂が動き大地が削られ(風食)、砂嵐が起こります。

果樹園に吹き出した塩(白い部分)
(写真:北村義信)

塩類集積
黄土高原の低地部では、農地での灌漑の失敗や地下水位の高い場所で、地表面に塩が集積し、大地が不毛化する塩類集積問題が深刻です。

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