デモケースの解説
本ソフトウェアの機能を紹介し,データファイルの書式を例示するために,Examplesディレクトリの中にいくつかのデモケースがインストール時に用意されています。いずれも開いて[Execute]ボタンをクリックすれば実行できます。新たに解析を行なう場合でも,類似したデモを呼び出して必要な個所だけ変更して別名保存した方が楽ですが,デモケースを保護するため,Examplesディレクトリには保存できないようになっています。
順解析
- Hysteresis.in
これはヒステリシスを考慮した浸潤と再分布を例示するものです。土壌はマサ土です。2度にわたりパルス状の潅水が与えられるため,本ソフトウェアのヒステリシスモデルがどのような走査曲線を描くかを見ることができます。
- Automatic_irrigation_UB2004
モンゴル国ウランバートル市の2004年夏の気象データを用いて、陸稲であるトヨハタモチを砂質土壌で栽培した場合を想定したものです。θ<0.1になると自動的に灌漑が行われるものとしています。蒸発散に伴う塩集積と,灌水および降雨によるリーチングの過程を観察できます。
- Two-layer ponding.in
下層が粗粒土で地下水位がやや深い(70cm)場合の場合の,湛水条件下での圧力水頭分布を見ることができます。水田土の下にマサ土の層があり,深さ30cmに境界があります。すぐに定常状態になります。
- Breakthough.in
溶質移動のみを解析するケースです。したがって水分に関しては0.3で均一かつ一定としています。初期濃度0の土壌にt > 0において一定濃度の溶質を与え続ける境界値問題です。
逆解析
- TSM.in
2段階法によるマサ土の土壌水分移動特性の測定例です。現時点では2段階法は研究論文でオーソライズされていないため,測定結果を論文に用いることはできません。そのため,2段階法に関するヘルプもまだ未整備です。
- MSO.in
多段流出法によるマサ土の土壌水分移動特性の測定例です。
- EMWT.in
テンシオメータ使用型蒸発法によるマサ土の土壌水分移動特性の測定例です。収束するまでに1〜3分かかります。